壁紙クロスの選び方とおしゃれにするポイントをインテリアコーディネーターが伝授!
部屋の約7割を占める壁、床、天井は、インテリアコーディネートのうえでベースとなる大切な要素。クロス(壁紙)を変えるだけで、部屋の印象はガラっと変化します。しかし、実際にクロスを張ってみると「イメージと違う」なんてことも多いそう。そこで今回は、クロス選びのポイントと部屋の雰囲気をグッとおしゃれに見せるコーディネートのコツを紹介します。お気に入りのクロスを見つけて、理想の空間をかなえませんか?
目次
部屋の雰囲気は壁色で決まる?
部屋の約7割を占める壁、床、天井。インテリアコーディネートでは、“ベースカラー”と呼ばれ、部屋のイメージを決める大切な要素です。統一感のあるまとまった空間をつくるためには、“ベースカラー”の配色が重要なポイントに。部屋の大部分を占める場所だからこそ、ホワイトやアイボリーなどベーシックなカラーを選び、2〜3色におさえることがポイントです。
最近は、ビニールクロスが主流。手入れが簡単なうえ、カラーバリエーションも豊富。さらに、ほかの素材に比べてリーズナブルなものが多いのも人気の理由です。
張り合わせ部分が目立ったり、汚れが気になったりするので、施工から10~15年が張り替え時期です。クロスの張り替えは比較的簡単なので、子どもの成長などライフスタイルの変化に合わせて、部屋の雰囲気をチェンジしてみるのも良いかもしれません。
クロス選びの手順
ビニールクロスの選び方・コーディネートのコツを紹介します。ヒントを見つけて、憧れの空間づくりに役立てて。
■インテリアコーディネートの手順
1.理想の空間をイメージ
2.床材を選ぶ
3.アクセントカラーを決定
4.ベースカラーでコーディネート
1.理想の空間をイメージ
壁紙と言っても、カラーやデザイン、素材など選ぶポイントはさまざま。数あるクロスの中からお気に入りを見つけるのは、なかなか大変です。クロス単体で選んでしまうと、家具とのミスマッチや空間にまとまりが出ないということも。
そうならないためにも、まずは「こんな部屋で暮らしたい」「こんな家具を置きたい」など、理想の空間をイメージしてみましょう。最近はインスタグラムやピンタレストなど、SNSを活用する人が多いそう。イメージに近い画像を見つけて保存しておくと、壁紙選びもスムーズです。それでもイメージが湧かないという人は、好みのテイストやカラーを中心に考えてみると良いかも!
2.床色との相性をチェック
部屋のコーディネートでは、床色とクロスとの相性も大切。床材は種類が限られてくるので、自由度が高く、トレンドや家族の要望を取り入れやすいクロス選びが部屋の雰囲気づくりでは重要なポイントに。
写真のように、同じ床材でも合わせる壁色を変えるだけで全く違った印象に。ダークモダン・シック系ならダークカラーの床材×石材調の壁紙やヴィンテージ感のあるクロス、ナチュラル系であれば黄みがかった木目の床材×北欧系カラーのクロスなど理想のイメージに合わせて、床材とクロスをコーディネートをしてみましょう。
3.アクセントクロスを決定
最近は、壁の一面だけ違う色や柄にする「アクセントクロス」が主定番。家具とクロスのカラーを同系色でそろえることで、部屋にまとまりが出ます。また、ヴィンテージ柄や光沢のあるものが人気だそう。
画像提供/桧家住宅 加古川展示場
アクセントクロスの位置は、ベッド、テレビ台、キッチンの後ろや、トイレの正面など家族がよく目にするところを選んで。基本的には、4面の中でも窓が少なく、最も面積が広い場所を選ぶとGOOD!ウォークインクローゼットの中にアクセントカラーを入れたりするのも、おしゃれ上級者のテクニックだそう。
MEMO
インテリアや雑貨を配置してみると、せっかくのアクセントクロスの大半が隠れてしまうなど、魅力を存分に生かせない場合も。家具の配置を決定してからアクセントクロスを決めることが大切です。
4.ベースカラーでコーディネート
アクセントクロスを決めたら、最後にベースカラーを決定します。部屋全体をまとまりよく仕上げるためにも、床材やアクセントカラーとの相性を見極めることが大切です。次に紹介する“選び方のコツ”を押さえて、コーディネートしてみましょう。
インテリアコーディネーター直伝!選び方のコツ
選んだクロスを実際に貼ってみると、「なんだかイメージと違う」という人も多いそう。スマホやパソコン画面で見ると、実際の色と違って見える可能性もあるので、クロス選びの前にサンプルを取り寄せてみて。サンプルを取り寄せた後は、以下の注意点をチェックしてみましょう。
■比較する時の注意点
- 床材とサンプルを垂直に立てて見てみる
- 照明の色、朝昼夜の自然光を実際に当ててクロスの見え方を比較する
1.
クロスの見え方を比較してみよう
小さなカタログサンプルで見ると実際よりも色が薄く感じたり、柄が小さく感じたりすることも。可能であれば、できるだけ大きなサンプルを取り寄せてみるのがおすすめ。また、照明の色や太陽光で朝、昼、夜で全く異なる印象に。壁に実際に貼り付けて、電気を消してみたりしながら、色や雰囲気の違いを比較してみましょう。
MEMO
床→壁→天井の順に明るい色のクロスを選ぶと、天井が高く広く感じられスッキリとした印象に。天井を暗くすると、落ち着いた空間づくりができますよ。
2.
デザインやカラーの効果を知ろう
デザインやカラーによって、部屋の印象も全く違ってきます。それぞれの与える影響を考えて空間をコーディネートしてみて。
ホワイト系 | 明るい色は広さを演出 |
陰影のあるもの | レンガ調のクロスなど陰影があるものは、奥行がでる |
ラメ入り | ライトをつけると光るので明るい印象に |
ブルーの壁紙 | 集中力を高める効果があるので、子ども部屋におすすめ |
MEMO
生地が薄いクロスは下地が透ける可能性があるので、控えたほうがいいかもしれません。表面に凹凸があるものがおすすめです。
今回は、クロスの選び方・コーディネートのヒントを紹介しました。いろいろなコーディネートをみていると、こんな部屋で暮らしたい、こんなクロスを張ってみたいなど、理想のイメージが膨らんだのでは。ポイントを押さえて、あなたにぴったりのクロスを見つけてみませんか?
■ 記事監修
インテリアコーディネーター 松本智子さん
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内容は2021年4月2日時点の情報のため、最新の情報とは異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。