新築住宅の「省エネオプション」で追加したい設備とは?
2025年度から新築住宅の建築において省エネ基準への適合が義務づけられることもあり、エコ住宅への意識がますます高まっています。今、家づくりを進めている人の中には、省エネ機能の追加を検討している人もいるのではないでしょうか。ここでは、新築時に導入したい省エネ機能に注目します。
目次
省エネオプションの選び方
年々、省エネ設備は多種多様化し、ニーズに合わせた進化を続けています。魅力的なものも多く、限られた予算の中で、何を取り入れたら良いか迷ってしまうかもしれません。
気になる設備があれば、まずはカタログを入手し、メーカーごとに比較検討するところから始めましょう。ショールームがあれば、足を運んで体験してみるのも、性能を知る方法の1つ。カタログには載っていない情報を得ることもできます。
人気の省エネ設備!知っておきたいメリットとデメリット
数ある省エネ設備の中から、特に人気の高いシステムをリストアップしました。それぞれのメリット・デメリットを紹介します。
1.太陽光発電
電気代が節約できて売電収入が得られ、災害時には非常用電力として役立つ太陽光発電。新築時に設置すると、支払いを住宅ローンに組み込め、ソーラーローンより低金利で長期返済が可能になります。また、太陽光発電に適した屋根形状にすることで、見た目を重視しながら発電効率の最適化を図ることができ、後付けするより工事費用を安く抑えられます。
導入を検討する際には、初期費用以外に維持費やメンテナンス費がかかり、売電価格に変動があることも押さえておく必要があります。
2.オール電化
家庭のエネルギーを電気に一本化することで、上手にやりくりすると光熱費の削減につながるオール電化。ガス漏れや火災などの事故が起こりにくい点からも、人気の高い省エネ設備です。
快適性を実感しやすく、導入後の満足度が高い一方で、冷暖房の設備や加入するプランによっては電気代がアップすることも。オール電化の導入に必要なIHクッキングヒーターやエコキュートの購入・設置にも費用がかかることは理解しておきましょう。
3.全館空調システム
室内の温度を集中管理する全館空調システムは、ホテルやオフィスビルなどで採用されていましたが、近年は家庭用に改良され、住宅会社や工務店での取り扱いが増えています。空調機器1台を用いるシステムが一般的で、各部屋にエアコンを設置する必要がなく、部屋ごとの温度差をなくし、1年中心地良い空間を維持できるのがメリットです。
効率良く稼働させるためには、設備導入を前提とした住宅設計が重要となるため、取り入れるなら新築時に検討するのがベスト。建築後の導入も可能ですが、家の構造や間取りによっては工事が大掛かりになり、費用もかさみます。
4.家庭用蓄電池
充電によって繰り返し使うことができる電池のことで、持ち運びできる小型から設置工事が必要な大型まで、さまざまなサイズがあります。電気を貯めて必要な時に使えるため、災害などの非常時に備えて設置する家庭も少なくありません。また、太陽光発電と連携させると、月々の電気代を抑えられることから、セットで導入する人もいます。
大型タイプは場所を取り、十分な設置スペースを確保しなければならないこと、また、機器本体が高価なことが導入時のネックとなることもあります。
5.HEMS(ヘムス)
HEMSとは、電化製品や電気設備など家庭で使うエネルギーを可視化し、制御して、効率良く節約につなげるシステムです。システムと接続した家電などの稼働状況を、タブレットやパソコンなどで管理でき、遠隔操作も行えるため、消費電力量を自分で細かく調整することが可能です。
便利な反面、導入時にはHEMSに対応した電化製品が必要に。その種類も今はまだ限られているのが実情です。
6.電気自動車用コンセント
今後、ガソリン車の縮小が予想される中、導入が増えると考えられる電気自動車用コンセント。自動車を充電するだけでなく、屋外用コンセントとしても活用でき、DIY工具や高圧洗浄機を使う時などにも便利です。後付けも可能ですが、新築時に設置しておくと配線などを隠してスマートに設置することができ、工事費用も抑えられます。
【まとめ】導入の際は補助金対象か確認を
紹介した省エネ設備は、いずれも設置費用が高く、オプションとして追加する際は予算に大きく影響してきます。欲張らず、資金計画に見合うシステムを検討してください。また、製品によって価格や性能、保証内容が異なることもあり、十分に吟味した上で導入したいものです。
補助金制度の対象となっているシステムも多く、お得に導入できる場合もあります。施工を依頼する住宅会社などに事前に確認してください。
内容は2022年1月31日時点の情報のため、最新の情報とは異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。