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新築住宅の間取りの決め方!重視すべきポイントと後悔しないためのコツ

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注文建築やセミオーダーでマイホームを建てる場合、施主が間取りの希望を出し、理想を形にすることができます。家づくりに参加する楽しさを味わえる反面、「どうやって決めたらいいのか分からない」と戸惑う人もいるのではないでしょうか。建てた後に後悔しないためにも、事前にしっかりとイメージを組み立てておくことが大事です。間取りづくりに役立つポイントや注意点などをインテリアコーディネーターの松本智子さんに聞きました。

目次

間取りを決める前にしておきたいこと

間取りは、土地の広さに対し、どのくらいのサイズの家が建てられるのかを見通した上で、設計士などと打ち合わせを重ねて決めていきます

事前に次の2点について家族で話し合っておくと、家づくりをスムーズに進めることができます。

1.ほしい部屋をリストアップする

まずはほしい部屋をリストアップします。キッチンや浴室、トイレといった生活する上で欠かせないスペースはもちろんですが、リビングとダイニングはひと続きにするのか、個々のプライベートスペースは何部屋必要か、客間や和室は設けるかなど、部屋数や空間のイメージを具体化します。自分たちのライフスタイルと照らし合わせて考えるのがポイントです

2.ゾーニングで大まかな配置を決める

ほしい部屋のリストアップが終わったら、次は「ゾーニング」を行います。ゾーニングとは、各部屋の大まかな配置を決める作業です。紙とペンを用意し、「南東にリビングを置き、道路に面した方角に玄関を持ってきて…」など、各部屋の位置を丸印などでざっくり描きます。頭の中のイメージを整理するだけでなく、打ち合わせ時に自分の思いを伝えるツールとしても役立ちます

間取りづくりで重視すべきは「水回り動線」

間取りを考える上で、最も重視したいのは「動線」です動線とは、建物内を人が動く時の経路のこと。家の中の動線を工夫すると、人の動きがスムーズになり、暮らしやすさにつながります。

中でも熟考したいのは、キッチン、洗面・浴室を中心とした水回り動線です共働きが増え、家事に時短が求められる今、いかに無駄な動きをなくし、ストレスなく行動できるようにするかがポイント。そのためには、水回りを最短ルートで結ぶのがベストとされています。

例えば、キッチンと洗面・浴室を集約し回遊できるようにした動線は、家事を同時進行するのに便利です。キッチン、洗面・浴室、洗濯物干し場までをストレートにつなぐのも一案。動きを妨げる扉や壁などを動線上からなくすことで、作業効率がアップします。

間取りにもトレンドがある!今、注目のスペースとは

時代によって変わっていくライフスタイルは、間取りづくりにも反映されます。最近は、「コロナ禍」と「家事効率」をキーワードとしたスペースに注目が集まっています。

1.書斎

リモートワークの普及で、「家の中に集中して仕事に取り組める部屋がほしい」という声が増えています。十分な書斎スペースを確保できない時は、寝室の一角にカウンターを併設したり、小屋裏を有効活用したりするケースもあります。
➡︎書斎やリモートワークスペースがある施工事例

2.玄関手洗い場

手洗いを習慣づけるため、玄関扉のそばに手洗い場を設置する人が増加。プライベートな洗面所に来客を通さずに、手洗いを促しやすいのもメリットです。

3.ファミリークローゼット

家族全員分の季節衣類を、1カ所にまとめて収めることができる大容量のウォークインクローゼットです。部屋が散らからず、物の所在を明らかにできるのが利点。また、各部屋に収納を設けない分、居住空間が広がります。
➡︎ウォークインクローゼットなど収納が充実している施工事例

4.ユーティリティ

アイロンがけやミシンがけなどを行う家事専用の作業部屋です。室内物干し場としても活用できるなど、多目的に使える便利なスペースです。

5.屋上リビング

おうち時間が増えた今、気軽にリフレッシュできる場所として屋上を活用。バルコニーより広く開放感がありながら、プライバシーも保たれ、掃除しやすいのが人気の理由です。
➡︎屋上スペースのある施工事例

イメージが湧かない時はオープンハウスへ

具体的な間取りのイメージが湧かない人は、オープンハウスを見学してみては後々販売することを想定して建てられたオープンハウスは、モデルハウスよりもサイズ感がリアル。実生活と重ねやすく、間取りづくりの参考になります。足を運ぶ際は、チェックしたいポイントと、今の暮らしでの困り事を、忘れないようにメモしていきます。

必ずチェックしたいのは、動線と収納の位置やサイズ収納は動線上の使い勝手の良い場所にあるかを確かめ、何を収納するかまで具体的にイメージしてください。困り事に関しては、例えば「今住んでいる家には本を置くスペースがない」という場合、どのように間取りを工夫すれば解決できるか、オープンハウスの事例からヒントを探ります。

間取りづくりによくある失敗とは

1.スイッチやコンセントの位置が使いにくい

間取りづくりの失敗でよくあるのが、適材適所にスイッチやコンセントがないこと計画段階では他のことに気を取られて見過ごしがちです。しかし、不便な場所にあると必ずと言っていいほどストレスに。家族の日常の動きを繰り返しシミュレーションしながら、最適な位置に取り付けることが大事です。

2.大窓ばかりで家具や家電が置けない

掃き出し窓をたくさん設けると、開放感が得られる一方で壁面がなくなり、テレビやインテリアなどの置き場所、エアコンの設置に困ることがあります彩光は窓の位置などを工夫すれば、大窓でなくても確保することも可能です。室内のどこに、どんな大きさの何を置くかを想像しながら間取りを決めてください

【まとめ】変化するライフスタイルも見据えた間取りづくりを

間取りは家を建ててしまってからでは簡単にやり直すことができません。だからこそ、今の暮らしに焦点を合わせるだけでなく、変化するライフスタイルにも想像をめぐらせながらプランを練ることが大事です。

プロの意見に耳を傾け、家族とよく相談しながら間取りづくりを進め、長く愛せるマイホームを完成させてください。

取材協力:インテリアコーディネーター松本智子

内容は2021年12月20日時点の情報のため、最新の情報とは異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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